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みやぎ伊達家と食文化

伊達家・食の歳時記

新田開発には報酬が 仙台米は江戸へ

本膳「三汁十六菜」などを再現した伊達家正月料理と
伊達家十八代当主・伊達泰宗氏

政宗公が食した正月膳のくわしい献立の記録が残されているので、ちょっとのぞいてみよう。 (仙台藩公儀使・大童信太夫の覚書より)
まず本膳の前に御若水、御鏡餅、奥田餅、それに精進の御膳(大根とふのりの膾、ふのりの汁、折昆布、納豆、香の物、御飯)が並ぶ。その後に雑煮と酒。 それから「三汁十六菜」から成る本膳が出される。 「三汁十六菜」は元朝のみで、二日からは「二汁五菜」になる。

本 膳

◆御膾
(鮭ひず、ぶりこ、ほや、ふのり、輪切りみかん)
◆納豆
◆御汁 (白鳥、山芋、五分菜)
◆和え物 (ねぎ、酢みそ)
◆濃醤(赤貝)
※濃醤(こくしょう)とは塩分の少ないみそを濃く溶いて魚介、鳥肉、野菜などを煮た汁気の多い煮物のこと
◆海鼠腸(このわた)
◆御飯

二の膳

◆伊勢海老(鬼がら焼き )
◆鮭漬浸し(だし酒がけ)
◆煎羽(鴨、ふさ菜、柚)
※煎羽(せんば)には、煮物や汁物などがある。
◆ 御汁(鱈、柚)

三の膳と御向

御向(石焼料理鯨)
◆ 御向(鮒煮こごり)
◆指身(鯉子付、わさび、いり酒)
◆ 御引菜(吉次の大板蒲鉾)
◆ 鮭子籠   
※いくら 水和え(するめ、くり、しょうが、大根かつら)
◆御汁(かけな)

※写真は、1992年撮影のもの。撮影=大滝吉春、調製=(株)伯養軒・仙台ホテル。

いずれも仙台領ならではの食材で、三陸の珍味ほや、金華山沖の鯨、吉次の蒲鉾、そして領内を流れる阿武隈川、名取川、広瀬川、鳴瀬川、北上川などを遡る鮭は、さまざまに工夫されて御膳に供されている。 また、伊達家ゆかりの岩出山の納豆、仙台味噌の和えものなども、いかにも「伊達家の正月膳」らしい。 食材はすべて領内から献上されたものであった。
料理の方法も実に創意に富んでいて、素材の味や舌触り、香りや色合いまで周到に計算され、 その組み合わせによってまったく別の風味を醸すものになっていることは瞠目に価する。 料理人の美意識と創意工夫は、すでに藝術の域といっていい。
これをして、政宗公の趣味の良さを著す「伊達料理」というべきであろう。